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April 14, 2007

日本酒と戦略の話

 商売の戦略には2通りある。強者の戦略と弱者の戦略。つまり強者は、その強みでNo.1を目指し物量で攻めまくる。弱者の場合は、同じ戦略をとれば必ず負ける。そこで強者が狙わないニッチな領域を攻める。そこで力をつけメジャー領域を狙えばいい。商売に限らず成功を収める人は大抵この法則に沿っている。
 埼玉県に、神亀酒造という田舎の造り酒屋がある。日本酒の人気が落ちる中、急速に評判を上げた蔵元である。
 日本酒の歴史は、もともと純米酒が本当であり蔵の数だけ個性があった。しかし戦時中の物資不足の折に醸造用アルコールが加えられた。しかも戦後の混乱期も酒税収入を確実にするために政府によって奨励され定着化した。しかも製法が機械化され近代化されている。例えば、先日、三重の蔵元見学のおり、積み上げられた酒粕を発見!ところが大手酒造メーカーではオートメーション化により酒粕を作らなくなり貴重になってきたという。
 神亀酒造が注目されたのは、1987年に日本で初めて蔵の酒すべてを純米酒に切替えたことにある。当然、業界の常識を破ったわけであり、周囲から相当のいじめを受けたらしい。ところが、日本酒業界が斜陽化しはじめると、逆にコクがあるのに後味がいい“ホンモノの酒”造りが受け入れられた。
 注目される理由は、ただ昔ながらの製法を守っただけではなく、人材のネットワークつくりにセンスがあったとされる。酒造好適米の確保のために地方の稲作農家を回り安定供給体制を整えたり、全国から杜氏、蔵人が集まる体制を整えるなどの地道な努力を積み重ねられたそうだ。
 成功を収める戦略には2通りあるが、みんな最初は弱者の戦略がスタートポイントである。そこに協力し助けてくれる人の存在が必要であり、たゆまぬ改善が必ずある。
(参考)日経ビジネスオンライン2007.3.26「手間をかける!「闘う純米酒」はかく勝てり」より

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