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December 31, 2006

森のパン屋さん(その2)

(その1よりの続き)
 それからです。配達にでるマックは、お店のハニーパンを余分に持って出ました。帰るなり「全部売れたよ!」配達に出たついでに、以前のお得意さんの家により「焼きたてのハニーパン如何ですか?」と声をかけたのです。チャッピーは店に来たお客さんがどのパンにしようと迷っている姿をみて「今日は卵サンドが出来たてです。ヤギのミルクも搾りたてです。チョコレートドーナッツもお子様に人気ですよ」と声を掛けました。
これまでなら、決して声を掛けることが無かった。お客さんの持ってくる物をただ袋に放り込むだけだったのです。そのお陰で売り上げは一気に回復し、それまでの1か月分がわずか3日で達成です。店を閉めると言ったことで、アルバイトの二人は話し合ったのでした。何とかしなきゃ!それまで遊んでばかりだった子供たちにも悪かったという気持ちがあったのでしょう。熊のお母さんの困った姿を見て、頑張らなくっちゃ!という危機感が仕事の動機になったのです。
(その3に続く)

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森のパン屋さん(その1)

 小熊のロックのお母さんのマリーは、小さなパン屋さんを始めました。大好きな蜂蜜入りのハニーパンが評判になり毎日忙しい日々です。そこでロックの友達のモンキーのマックとリスのチャッピーをアルバイトに雇いました。しかしそれから暫くして売れ行きが落ちてきました。評判がよくありません。お客さんに聞いてみると、配達が遅い、数が足りない、包みが雑、など悪いことばかりです。アルバイトの二人は仕事が初めてだし遊びたい年頃。店長のお母さん熊が見ていない所ではサボるし、配達に出ると道草するし、店のパンを内緒で食べるし、袋に入れるのも適当。夕方には帰りの事が気になりそわそわ。お客さんそっちのけです。
 やがて利益も出なくなり、とうとう店を閉めることになりました。店の裏でがっくりしているお母さん熊を見たチャッピーの友達のバンビのクリスは「どうしたの?」と聞きます。頑張り屋で弱音を吐かないマリーもこのときばかりは「閉めることにしたの」と涙ながらに漏らしてしまいます。
(その2に続く)

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December 22, 2006

森の仲間たち (オリジナルショートストーリー)

 昔々、大きな森の中に、小熊のロックがお母さんと一緒に暮らしていました。
ところが、今年の春にお母さんと散歩中に足を滑らせ深い谷底に落ち、お母さんと離れ離れになってしまったのです。小さなロックはとても臆病者でどうして暮らせば良いのか不安でいっぱいでした。幸にも、リスのチャッピー、バンビのクリス、モンキーのマック、それに小鳥達と友達になり、夏の間楽しく暮らしていました。
 しかし、秋も深まりもう直ぐ冬眠の季節です。美味しい森のご馳走をいっぱい食べて、ひと冬を越す体力を蓄えなければなりません。小熊のロックはその方法を教えてもらってなかったのです。
 そんな時、森の嫌われ者の狼がやってきました。友達のバンビのクリスを見つけ「旨そうな小鹿だぞ!」と襲いかかったのです。
 その瞬間、臆病者だったロックはバンビのクリスの前に飛び出し、二本足で立ち上がり狼に向かっていったのです。お陰で狼は襲うのをやめ、森に平和が戻ってきました。
 しかしロックの憂鬱は募るばかり。もう直ぐ雪で森は閉ざされます。そんなある日、ロックの寂しそうな姿を見てモンキーのマックが声を掛けたのです「どうしたんだい?」ロックは自分の悩みを打ち明けました。
 それから1週間たち、森はすっかり冬支度です。木々の葉は落ち、黄色い銀杏や赤い楓の葉が美しく森の小道を埋め尽くしています。「早くおいでよ!」リスのチャッピーが木の上からロックを呼んでいます。赤や黄色の絨毯の小道を進んで行くと、遠くで小鳥たちが囀っています「こっちだよ」小鳥たちの合図です。赤い絨毯は森の広場までロックを導いてきました。広場に着くと、小鳥たちと一緒に、バンビのクリスやモンキーのマック、リスのチャッピーがロックを呼んでいます。
 その先には、懐かしいロックのお母さんが来ていました。小熊のロックの悩みを聞いた仲間たちが、バンビのクリスの命を救ったお礼に、皆でお母さんを探してくれたのです。
「良かったね!」
ロックは大好きなお母さんと一緒に帰っていきました。「また春に会おうね。」森の仲間たちとの友情はこれからも続くのです。

空から、白い雪が舞い落ちてきました。
メリークリスマス!

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