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March 28, 2006

天使の恵み

 ウイスキーの元祖はアイルランドで作られたアイリッシュウイスキーと呼ばれるもの。1171年には文献にも登場する。それが対岸のスコットランドに伝わり、1494年には蒸留の記録が残っている。元々ウイスキーはラテン語で命の水「アクアビット」と呼ばれており、蒸留したての無色透明な状態の非常に強いアルコールを飲んでいた。丁度ウォッカなど極寒の地の酒が強烈に強く、そのため凍らない。冷え切った体を温める命の水だったことと一致する。
 そのウイスキーが、今日のようにまろやかになったのは、イングランドの課税があまりにも過酷であったため、製造者はスコットランドの山奥に隠れて密造したことによる。
 幸運なことに、そこには、きわめて良質の水と燃料であるピート(泥炭)があった。しかも輸送手段が少ないため、たまたま捨ててあったシェリー酒の空樽に詰めて保存した。数年経って、栓を開けてみると、例えようのない芳香な香りを放つ美しい琥珀色した液体が生まれていた。
 初めて経験した人は、この偶然の積み重ねが“天使の恵み”に感じたことでしょう。災い転じて福となす。何事も一生懸命にやれば、必ず“天の恵み”が訪れるに違いありません。このところ焼酎や発泡酒に人気をさらわれ、パッとしないウイスキーですが、こんな誕生秘話を思い出して今夜はちょっと一杯。夢の心地に浸ってみては如何でしょうか。
(参考)実装技術2006.4月号「元木陽一のウイスキー講座」より

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