« 天然と合成品の違い-その2- | Main | 進化する携帯電話 »

November 21, 2005

クレームは宝

 心臓病の救命用バルーンカテーテルというものがある。心臓付近の大動脈内でバルーンを拡張・収縮させて、心筋梗塞で弱った心臓のポンプ機能を一時的に補助するものである。日本で最初に作ったのが、東海メディカルプロダクツという会社で、創業当時の1980年頃には輸入品しかなく、大柄な欧米人用に設計されていたため日本人には使用できなかった。東海メディカルプロダクツは、日本人向けというだけでなく子供向けやどんな血管にも対応できるように多種多様のものを開発発売した。米国では大量生産が優先され患者に合せる意識は殆んど無かった。開発のきっかけは、社長の筒井氏の娘さんが先天性の心臓疾患であり「どうすれば娘を救えるのか」の一心であった。だが不幸にも努力は実らなかったのだが、その過程で開発されたカテーテルは4万5000人もの命を救った。新しいカテーテルを出荷するごとに娘さんは「また一人命を救えるね」と喜んでいたという。
 その筒井氏は、「クレームは宝」を実践している。医師から挿入しにくいなどといった様々なクレームが寄せられると営業や技術が現場に急行する。そしてクレームを素早く開発にフィードバックしより安全で使いやすい製品の開発に役立てる。「困っている患者さんがいるのに、それを放っておいて次に売りに行くなどできない」筒井氏の言葉である。
 クレームをポジティブに取るかネガティブに取るか、その対応次第で良くも悪くもなる。物は考えようである。ありがたいチャンス到来である。
(参考)日経ビジネス2005.11.14号「小さなトップランナー 東海メディカルプロダクツ『娘のため』が救った多くの命」より

|

« 天然と合成品の違い-その2- | Main | 進化する携帯電話 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84629/7253172

Listed below are links to weblogs that reference クレームは宝:

« 天然と合成品の違い-その2- | Main | 進化する携帯電話 »