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June 12, 2005

★塩按配~梅の力・続編~

 “梅干”の塩加減にもいろいろあり、何十年もつけた古梅干から、減塩の食べやすい梅干まで、いろいろである。
 昔、徳川家康が、伏見屋敷で、本多正信、平岩親吉、大久保忠常らの近臣に焚き火をさせ雑談をしていた。その中に、奥を代表するひとりで才気のある、お梶がいた。

家康「世の中で一番旨いものは何だろう?」
皆、様々なご馳走を言った。その後で、家康はお梶に聞いた。
お梶「塩だと存じまする」
   「そのわけは、塩がなければいかような魚菜でも味が調いませぬ。吸物も、ただの湯とおなじことになりまする」
家康「なるほど」
家康の喜ぶさまをみて一同「さすがは」と調子を合せた。
家康「さすれば、世の中で、一番まずいものは何か?」
お梶「塩でございます」
意味は、どのような食物でも塩を入れ過ぎれば辛くて食えない、というのである。一同、なるほどとうなずき、お梶の才智に感じ入ったような風情をみせた。

 一番旨い食べ物は塩だといって、塩をがばっと食す人はいないだろう。つまり塩は調味料であって主題からずれるのだが、雑談の中で、塩といって理由付けし納得させるのは才能に違いない。一同が調子を合せるところは、今も昔も変らない”宮仕え”の辛さに違いない。
 (参考)司馬遼太郎「嬖女守り(軍師二人)」より

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